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白山信仰
 四季の大半を白雪に覆われる白山は、古くから祖霊の宿る聖域として、人々の素朴な崇拝の対象であり、手取川(石川)、九頭竜川(福井)、長良川(岐阜)、庄川(富山)の源流として、里人に豊かな水の恵を与えてくれる神々の座であった。また日本海を渡る船人らには「山だめ」の指標として、航海・漁労(ぎょろう)の守護神と崇(あが)められてきた。
 平安期に入ると、白山は次第に修験者(しゅげんじゃ)の山岳修行や神仏習合思潮(しんぶつしゅうごうしちょう)に彩られた霊場へと発展していく。9世紀中ごろまでに、山麓(さんろく)の信仰活動の拠点として、白山登拝(とはい)路(禅定道(ぜんじょうどう))の起点となる遥拝地(ようはいち)、加賀馬場(ばんば)、越前馬場、美濃馬場の三馬場が開かれた。10世紀後半ごろから、越前国麻生津(あそうづ)(福井市)出身の僧、泰澄大師(たいちょうだいし)が717(養老元)年に白山を開いたとする伝承が広まり、泰澄の感得によって主峰の御前峰(ごぜんがみね)が伊弉冉(いざなみ)神で白山妙理大菩薩(はくさんみょうりだいぼさつ)と号し、本地仏(ほんちぶつ)は十一面観音(じゅういちめんかんのん)、大汝峰(おおなんじがみね)は大己貴(おおなむち)神で本地仏が阿弥陀如来(あみだにょらい)、別山(べっさん)は小白山別山大行事(べっさんだいぎょうじ)で本地仏は聖観音とする白山三所権現(はくさんさんじょごんげん)の信仰が定着していく。
 平安時代中期以降、加賀馬場の中心は白山比
神社(白山本宮)から別当寺の白山寺に、越前馬場は平泉寺、美濃馬場は長滝寺(ちょうりゅうじ)に実権が移っていき、平安末期には三馬場とも天台宗延暦寺(てんだいしゅうえんりゃくじ)の末寺となった。
 三馬場は以来、それぞれ独自の歴史を歩み、それぞれに盛衰を繰り広げながら、白山信仰を全国に広めた。
 明治に入って、維新政府の神仏分離政策に基づく廃仏棄釈(はいぶつきしゃく)により、加賀の白山本宮は白山比め神社、越前は(平泉寺)白山神社、美濃は(長滝)白山神社と改称され、各馬場の「里宮」、白山信仰の拠点として、現在に至っている。
 いずれにしろ、三馬場による白山信仰の普及活動により、白山神社は現在、全国に2281社(1996(平成8)年神社本庁登録明細)を数え、沖縄を除く46都道府県に分布している。加えて全国には神社本庁から独立した神社や地域が自主的に管理する祠(ほこら)などがあるため、実際の白山神社の数は大正時代の調査で確認された「2716社」に近いとされている。
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